ラオスLao People's Democratic Republic
東南アジアに位置するラオスは、日本の6割ほどの国土を持つ小国で、国土の約70%が高原や山岳地帯である。フランスの植民地支配から1951年に独立し、1975年以降はラオス人民革命党による、社会主義国型の一党独裁制が敷かれている。メディアの検閲や市民社会に対する抑圧が厳しく、自由な政治言論は許されていない。都市部と農村部の貧富の格差が広がっており、主要民族であるラオタイ族と他の少数民族では、圧倒的に少数民族の極貧率が高くなっている。首都ビエンチャンがタイ国境に近く、これまでタイへの経済的依存度が大きかった一方で、政治面では以前から体制が近い中国の影響を受けていた。しかし、経済面においても近年は中国の影響が強く、政府予算の多くが中国からの借入れ返済金と政府の汚職・賄賂に費やされ、教育や衛生などにはほとんど予算が割かれていない。
ラオスには自給自足の文化があり、あまり競争性の高くない国民性を持つ。内陸国で、人口が700万人程度のため人口密度は極めて低い。中国によるゴムのプランテーションなどによって森林伐採が進んでいるものの、現在も山や川などの自然に溢れる国である。その人口規模と、世界最貧国とも言われる1人当たりのGDPのレベルから、投資先としてはあまり注目を集めてこなかったが、近年はASEANの広域インフラや経済特区整備が進んだことで、ロジスティクス上の拠点であるタイに次ぐ投資先(タイプラスワン)となりつつある。近年、自動車部品や精密機械を扱う日系企業が進出しているほか、タイやベトナムの人件費上昇、及び近隣国の電力料金高騰の影響で、多数企業がラオスに工場を移転している。
また、険しい山脈のために輸入や輸出にコストがかかるものの、水力発電開発の可能性が注目されている。ラオス政府は後発途上国からの脱却を図るべく、様々な方策を打ち出しているが、公的債務の蓄積、財政赤字、ラオス国営航空、郵便公社、ラオス開発銀行といった国営の企業改革など、課題は山積みである。
地理情報
国 名 | ラオス人民民主共和国(英語名:Lao People's Democratic Republic) |
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首 都 | ビエンチャン(英語名:Vientiane) |
国土面積 | 23万6,800平方キロメートル(日本の約63%) |
地 理 | 国土うちの約70%が高原や山岳地帯で、シェンクアン県のプービア(ビア山)は国内最高峰(2,820m)である。中国、ミャンマー、タイ、カンボジア、ベトナムの5ヶ国と国境を接し、日本の本州ほどの広さを持つ内陸国である。(ラオス観光局) |
気 候 | 熱帯性モンスーン気候に属し、雨季(5月~9月)と乾季(10月~4月)の2つの季節に分かれる。 |
GMTとの時差 | +7時間、日本との時差は2時間(日本が正午の時、ラオスは午前10時) |
基礎統計
人 口 | 707万人(2021年 / IMF) |
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GDP | 239億米ドル(2021年 / IMF) |
1人当たりGDP | 3,372米ドル(2021年 / IMF) |
GDP成長率 | 2.06%(2022年 / IMF) |
国民・社会
民 族 | ラオ族(全人口の約半数)、他にモン族、ヤオ族、アカ族など68の民族。 |
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言 語 | ラオス語が公用語。 |
宗 教 | 仏教が90%、南部ではキリスト教信仰も。 |
通 貨 | キープ(Kip)、補助通貨単位はアット (Att) 。 |
識字率 | 84.7%(2015年、15歳以上 / UNESCO) |
政治
政治体制 | 人民民主共和制 |
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行政組織 | 政府は首相、3名の副首相、省の大臣、省と同格の組織の長といった政府閣僚に代表され、18の省及び省と同格の組織としてラオス中央銀行が設置されている。首相及び閣僚は国民議会の承認に基づき、国家主席が任命する。首相は、副大臣、県副知事、中央直轄市副市長、郡長を任免する権限を持つ。 |
議会制度 | 国民議会は一院制で定員数は149議席で、任期は5年。 |
地方行政制度 | ラオスの行政区画は、第1レベルで17の県(クウェーン)と都(ナコーン)から構成されている。これらは第2レベルである郡(ムアン、1,162)に分割される。 |
日系企業
日系企業 進出数 |
日系企業総数(拠点数)は144社(2018年10月1日時点)(外務省「海外在留邦人数調査統計(令和元年版)」) |
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実 績
株式会社レインはラオスの調査会社(リサーチ会社)として以下の実績があります。
※ 最近の案件事例から抜粋