カンボジアKingdom of Cambodia
カンボジアは国土が日本の半分ほど、人口は1,700万人以下の小国である。1975年~1979年のポル・ポト時代に大量虐殺が行われたため、高齢者が極端に少ない。25歳未満が50%近くを占め、ASEAN内でも、非常に若い国といわれている。若い人口が多い反面、全体の人数は少なく、国全体の市場規模も1人あたりGDPも増加傾向にあるものの、他のASEAN諸国と比べて大きくはない。
世界の最貧国ともいわれていたが、近年はアジアでも屈指の経済成長率を示している。近年、海外からの投資が活発になり、縫製製品輸出、建設・不動産部門、観光業、小売部門などが市場をけん引している。日系企業が多く在籍するタイとベトナムの間に位置し、人件費が安いため、近年は「タイプラスワン」「ベトナムプラスワン」としても注目されている。若年が多く、購買層は増加傾向にあり、且つ高齢者医療などのコストが少ないため、今後の経済成長は有利である。
カンボジア政府は経済特区を設置し、積極的に外資誘致政策をとっている。もともと貧しい国ではあるが、首都プノンペンでは高額消費ブームが起こっており、高級コンドミニアムの建設ラッシュによって地価が急上昇している。また、基幹産業は農業と縫製業だが、内戦時代の影響から未発達な分野も多い。全体的に物流、電力インフラが脆弱で、特にローカルな場所では衛生面も劣悪であることは注意しなければならない。
日本はカンボジアにとって最大の援助供与国であり、2014年に発行された500リエル札には、日本の援助で造られた「きずな橋」と「つばさ橋」が日章旗と共に描かれている。しかし一方で、特に中国「一帯一路」マネーの流入による不動産・インフラ開発、さらには中国人観光客の急増により、大型ショッピングモールやマンション開発など中国の影響力が高まっており、カンボジアが「中国化する」との声も聞かれる。中国への経済依存を緩和すべく、カンボジア政府は日本を含む諸外国との連携を深める動きが活発になっている。また、今後は南部経済回廊が開通し、東南アジアの要所としてカンボジアの地理的優位性は高まっていくことになる。
地理情報
国 名 | カンボジア王国(英語名:Kingdom of Cambodia) |
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首 都 | プノンペン(英語名:Phnom Penh) |
国土面積 | 18万1,035平方キロメートル(日本の約半分) |
地 理 | 東南アジアのインドシナ半島中央部に位置する。東部はベトナム、西部はタイ、北部はラオスと陸続きで接する。中央を南北にメコン川が流れており、国土の大部分が海抜100m以下となっている。 |
気 候 | 気候は熱帯モンスーン気候であり、季節は大きく雨季(6月~10月)と乾季(11月~5月)に分かれる。3月~5月が最も暑い時期で、日中の気温は40度に達する。 |
GMTとの時差 | +7時間、日本との時差は2時間(日本が正午のときカンボジアは午前10時) |
基礎統計
人 口 | 1,700万人(2021年 / IMF) |
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GDP | 312億米ドル(2021年 / IMF) |
1人当たりGDP | 1,838米ドル(2021年 / IMF) |
GDP成長率 | 2.15%(2022年 / IMF) |
国民・社会
民 族 | クメール人90%、他にチャム族やベトナム人など20以上の民族。 |
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言 語 | 公用語はクメール語。 |
宗 教 | 仏教徒が7割以上、他にイスラム教とキリスト教。 |
通 貨 | リエル(Riel) |
識字率 | 80.5%(2015年、15歳以上 / UNESCO) |
政治
政治体制 | 立憲君主制 |
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行政組織 | カンボジアの行政組織は内閣官房の下に24省2庁、及び国民議会事務局と国立銀行が設置されている。 |
議会制度 | 1999年3月9日の憲法改正以降は二院制をとっており、上院62議席(任期6年)、国民議会(下院)125議席(任期5年)で構成されている。 |
地方行政制度 | カンボジアの地方行政は、州(Province)と特別市(Municipality)に分けられる。州は郡(Srok / District)に、郡は町(Khum / Commune)に細分化され、他方、特別市は区(Khan / District)に、区は地区(Sangkat)に細分化されている。州と特別市、郡、区はカンボジア王国中央政府の出先機関であって、自治体ではない。 |
日系企業
日系企業 進出数 |
日系企業総数(拠点数)は388社(2018年10月1日時点)(外務省「海外在留邦人数調査統計(令和元年版)」) |
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実 績
株式会社レインはカンボジアの調査会社(リサーチ会社)として以下の実績があります。
※ 最近の案件事例から抜粋