イギリスUnited Kingdom of Great Britain and Northern Ireland

イギリスは18世紀の産業革命以降、近代において世界経済をリードする工業国で、造船や航空機製造などの重工業から金融業やエンターテイメント産業に至るまで様々な産業が盛んであった。しかし、19世紀後半からはアメリカ合衆国、ドイツ帝国の工業化により世界的優位は失われた。20世紀初頭から沈滞を続けたイギリス経済は深刻に行き詰まり、英国病とまで呼ばれた。近年は、欧州債務・ユーロ危機以降、経済はほぼゼロ成長が続き、10%近い高失業率、難民危機、テロの続発とイギリスにとっては厳しい状況が続いていた。そして2016年6月23日、イギリスが欧州連合(EU)を離脱すべきかどうかを決めるための国民投票が実施され、ブレグジットが決まった。しかしこのブレグジットの実施に伴う条件に関して合意が取れず、2019年6月にはメイ首相が引責辞任、新しく首相に着任したジョンソン首相の元で突然の議会閉鎖など政治が大混乱に陥った。その後、2020年1月末にEUを離脱し、2020年末までの移行期間に入ることで現在準備が進められている。この移行期間中の調整内容によって、イギリス経済のこれからのあり方が決まるとされており、日本企業に未だ重大な影響は出ていないものの、今後については関税や人材確保、為替変動やポンド安による輸入価格上昇といった不安がある。一方王室ではヘンリー王子とメーガン妃が王室から公費を受け取ることを止め、北アメリカとイギリスを自由に行き来したいと表明し、王室のこれからのあり方に変化をもたらすと予測されている。
地理情報
国 名 | グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(英語名:United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland) |
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首 都 | ロンドン(英語名:London) |
国土面積 | 24万4,820平方キロメートル(日本の約3分の2) |
地 理 | イギリスはグレートブリテン島のイングランド、ウェールズ、スコットランド、およびアイルランド島北東部の北アイルランドで構成されている。イギリスは大西洋に囲まれ、北に北海、南にイギリス海峡がある。国土の大半はなだらかな丘陵地及び平原であり、国土の約90%が可住地となっており、可住地面積は日本の倍近くにもなる。 |
気 候 | イギリスは北緯50~60度(北海道より北)に位置するが、北大西洋海流の影響で比較的温暖である。しかし、年間日照時間は短い上に「1日の中に四季がある」と言われるくらい天候が変わりやすい。夏季は、高緯度の関係で日照時間が長く、日没は最も遅い時期で午後10時頃になる。3月末頃から10月末頃までの間サマータイムが実施される。冬季は日照時間が短く、日没が午後3時半頃の時期もある。(国土交通省) |
GMTとの時差 | 0時間、日本との時差は9時間(日本が正午の時、イギリスは午前3時) サマータイムはGMT+1時間(3月最終日曜日午前1時~10月最終日曜日午前2時) |
基礎統計
人 口 | 6,644万人(2018年 / IMF) |
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GDP | 2兆8,288億米ドル(2018年 / IMF) |
1人当たりGDP | 4万2,580米ドル(2018年 / IMF) |
GDP成長率 | 1.4%(2018年 / IMF) |
国民・社会
民 族 | 主な民族はゲルマン民族系のイングランド人、ケルト系のスコットランド人、アイルランド人、ウェールズ人の4民族で構成されている。 |
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言 語 | 最も広く使用されているのは英語。公用語は構成国で異なる。 |
宗 教 | キリスト教(59.3%)、イスラム教(4.8%)、ヒンズー教(1.5%)。 |
通 貨 | スターリング・ポンド(pound sterling)、補助通貨単位はペニー(penny、複数形ペンス pence)。 |
最低賃金 | 年齢によって設定が異なる。2020年4月以降は、25歳以上の最低賃金は時給8.72ポンド、21~24歳は8.20ポンド、18~20歳は6.45ポンド、18歳未満では4.55ポンド、見習い4.15ポンドへ設定される予定。 |
政治
政治体制 | 立憲君主制
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行政組織 | 第2次メイ内閣において、イギリス政府の行政機関は25の省庁などで構成されている。この他に、非大臣省の機関が20存在。 | ||||
議会制度 | イギリスの議会は上院(貴族院)と下院(庶民院)の二院制。上院は定数なしの任命制となっており、原則終身。下院は定数650議席で任期は5年、小選挙区制による直接選挙で選ばれる。 | ||||
地方行政制度 | イギリスの行政区分はイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドで各々異なる。これら4つの非独立国は国(カントリー)と呼ばれている。イングランドは独自の議会・政府を持たず、9つのレジオンに区分されている。スコットランドは32のカウンシル・エリアと持ち、ウエールズは10のカウンティバラと9つのカウンティ、3つのシティーで構成されている。北アイルランドには、11行政区が設置されている。 | ||||
現在の 政治的状況 |
2016年、キャメロン首相(当時)はEU残留・離脱を問う国民投票の実施を決定した。キャメロン政権はEU残留を訴えたが、2016年6月23日の国民投票でEU離脱が決定された。これを受け、キャメロン首相は首相・党首の辞任を表明し、党首選が行われた。選挙により、メイ内相(当時)が保守党党首となり、首相に就任した。メイ首相は、EUとの離脱交渉に取り組み、2018年11月には英政府はEUとの間で「離脱協定案」及び「将来関係枠組みに関する政治宣言案」に合意したが、同年12月から行われた議会審議が難航し、2019年6月7日に保守党党首を辞任。保守党党首選挙を経て、同年7月24日にジョンソン前外相が首相に就任した。2019年12月12日に実施された総選挙では、与党・保守党が下院で過半数議席を獲得。2020年1月22日に、イギリス議会は欧州連合離脱協定を法制化するための関連法案を可決した。 |
日系企業
日系企業 進出数 |
日系企業総数(拠点数)は966社(2018年10月1日時点)(外務省「海外在留邦人数調査統計(令和元年版)」) |
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