シンガポールRepublic of Singapore

英国植民地であったシンガポールは、1959年に自治領となり、1963年にはマレーシア連邦の一部となった。しかし、人種政策などを巡ってマレーシア政府与党との対立が激化、都市国家として分離独立した。初代首相リー・クアンユー氏は、長期に渡って開発独裁を体現し、独裁政権として経済的繁栄を推進した。ITや観光産業が強みとなっている。
日系企業の進出としては、アジア事業を再編・強化するため、地域統括拠点をシンガポールに設置する企業が多い。また近年では、多くの多国籍企業がアジア向けの製品、サービス開発施設やイノベーションセンターを設置している。
2018年のシンガポールの実質GDP成長率は、3.2%と前年と比較して鈍化した。製造業は外需の落ち込みにより前年より減速。貿易は、輸出入ともに前年比で増加し、貿易総額は2014年以来4年ぶりに1兆Sドル超を記録。ただし、半導体などIT部品の中国、韓国向け輸出が大きく落ち込んだ。対内直接投資は、2012年をピークに縮小傾向にあるが、エレクトロニクス、情報通信メディア部門などで増加がみられ、前年比15.1%増と2桁増だった。対日投資では、これまで同様、不動産への投資が目立ち、1996年以来初の流出超過を記録した。2019年は①米中貿易摩擦のさらなる激化、②米国の対中制裁による中国経済成長の想定以上の減速、③英国のEU離脱の延期による英国やEUの消費低下といった要因により、経済成長に歯止めがかかると予想されている。
地理情報
国 名 | シンガポール共和国(英語名:Republic of Singapore) |
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首 都 | シンガポール(都市国家) |
国土面積 | 722平方キロメートル(東京23区とほぼ同じ) |
地 理 | 東南アジアのほぼ中央で、北はジョホール海峡を隔ててマレーシアに接している。63の島から構成されており、最も大きいのがシンガポール島。国土はほぼ平坦な低地であり、ブキッ・ティマの163mが最高地点。 |
気 候 | 赤道直下であることから熱帯モンスーン気候に属しており、年間を通じて高温多湿の気候である。年間平均気温は27.4度で、湿度は84~87%程度となっている。11月~3月にかけて降水量が多く、4月~10月は乾季となっている。 |
GMTとの時差 | +8時間、日本との時差は1時間(日本が正午の時、シンガポールは午前11時) |
基礎統計
人 口 | 564万人(2018年 / IMF) |
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GDP | 3,641億米ドル(2018年 / IMF) |
1人当たりGDP | 6万4,579米ドル(2018年 / IMF) |
GDP成長率 | 3.1%(2018年 / IMF) |
国民・社会
民 族 | 華人(74%)、マレー系(14%)、インド系(7.9%)、その他(1.4%) |
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言 語 | 憲法上の国語はマレー語。公用語は英語、マレー語、中国語、タミール語。 |
宗 教 | 仏教(33%)、キリスト教(18%)、イスラム教(15%)、道教(11%)、ヒンドゥー教(5.1%) |
通 貨 | シンガポール・ドル(Singapore dollar)、補助通貨単位はセント(cent)。 |
識字率 | 97.3%(2018年、15歳以上 / UNESCO) |
最低賃金 | 清掃業と警備業と造園業を除いて法定最低賃金は存在しない。 |
政治
政治体制 | 立憲共和制
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行政組織 | シンガポールの行政は1府14省で構成されている。また、その下に約60の法定機関が存在する。 | ||||
議会制度 | 一院制で任期は5年。議席数は89で、その内83議席は選挙区選出。 | ||||
地方行政制度 | 地方自治体は存在せず、5つの社会開発協議会がある。(1) シンガポール中央社会開発協議会、(2) 北東社会開発協議会、(3) 北西社会開発協議会、(4) 南東社会開発協議会、(5) 南西社会開発協議会となっている。 | ||||
現在の 政治的状況 |
リー・シェンロン首相が、ゴー・チョクトン前首相から2004年に政権を継承している。建国以来、与党人民行動党(PAP)が圧倒的多数を維持しており、内政は安定している。2015年9月に実施された総選挙では、PAPが89議席中83議席を獲得している。次期議会総選挙は2021年1月までに実施される予定であるが、リー首相は同選挙後に退陣する意向である。また、「第4世代」と呼ばれる40代を中心とした若手議員を積極的に閣僚に起用するなど、世代交代を着々と進めている。 |
日系企業
日系企業 進出数 |
日系企業総数(拠点数)は1,239社(2018年10月1日時点)(外務省「海外在留邦人数調査統計(令和元年版)」) |
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