カンボジアKingdom of Cambodia

カンボジアは1975年~1979年のポル・ポト時代に何百万人という大量虐殺高齢者が行われたため、高齢者が極端に少なく、2019年の平均年齢は25.7歳となっている。世界の最貧国とも言われていたが、近年はアジアでも屈指の高い経済成長率を示している。海外からの投資が活発になり、縫製製品輸出、建設・不動産部門、観光業、小売部門などが市場をけん引している。貧しい国ではあるが、首都プノンペンでは高額消費ブームが起こっており、高級コンドミニアムの建設ラッシュによって地価が急上昇している。
日本はカンボジアにとって最大の援助供与国であり、2014年に発行された500リエル札には日本の援助で作られたきずな橋とつばさ橋が日章旗と共に描かれている。しかし、一方で特に中国「一帯一路」マネーの流入による不動産・インフラ開発、更には中国人観光客の急増により大型ショッピングモールやマンション開発など中国の影響力が高まっており、カンボジアが「中国化する」との声も聞かれる。
2018年のカンボジアの経済は、実質GDP成長率が7.5%と、2010年からの高成長が続いている。貿易収支は30億8,800万ドルの赤字で、赤字幅は15.8%増加した。政治環境としては、7月の国民議会総選挙で、フンセン首相率いる政権与党が継続した。しかし、欧米諸国はその選挙プロセスが非民主的だと批判しており、特にEUはこれを受け、カンボジアに対する武器以外すべての製品を無税にするEBA協定の見直し手続きを開始した。今後の同国のビジネス環境に大きな影響を与え得る動きとして注目される。
カンボジア政府は2019年2月、商業省管轄のカムコントロールの検査撤廃、税関管轄のスキャニング検査費用の半減、港湾での輸出入手続きのワンストップサービスを請け負うカムサブ(KAMSAB)の廃止など、輸出入業務にかかるコスト・手間の削減につながる見直しを行った。また、電力料金も値下げを行い、投資環境が改善されつつある。さらに中国への経済依存を緩和すべく、カンボジア政府は日本を含む諸外国との連携を深める動きが活発になっている。
地理情報
国 名 | カンボジア王国(英語名:Kingdom of Cambodia) |
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首 都 | プノンペン(英語名:Phnom Penh) |
国土面積 | 18万1,035平方キロメートル(日本の約半分) |
地 理 | 東南アジアのインドシナ半島中央部に位置する。東部はベトナム、西部はタイ、北部はラオスと陸続きで接する。中央を南北にメコン川が流れており、国土の大部分が海抜100m以下となっている。 |
気 候 | 気候は熱帯モンスーン気候であり、季節は大きく雨季(6月~10月)と乾季(11月~5月)に分かれる。3月~5月が最も暑い時期で、日中の気温は40度に達する。 |
GMTとの時差 | +7時間、日本との時差は2時間(日本が正午のときカンボジアは午前10時) |
基礎統計
人 口 | 1,625万人(2018年 / IMF) |
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GDP | 244億米ドル(2018年 / IMF) |
1人当たりGDP | 1,504米ドル(2018年 / IMF) |
GDP成長率 | 7.5%(2018年 / IMF) |
国民・社会
民 族 | クメール人90%、他にチャム族やベトナム人など20以上の民族。 |
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言 語 | 公用語はクメール語。 |
宗 教 | 仏教徒が7割以上、他にイスラム教とキリスト教。 |
通 貨 | リエル(Riel) |
識字率 | 80.5%(2015年、15歳以上 / UNESCO) |
最低賃金 | 2020年1月1日より、最低賃金は前年から4.4%引き上げとなる190米ドルを適用。 |
政治
政治体制 | 立憲君主制
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行政組織 | カンボジアの行政組織は内閣官房の下に24省2庁、及び国民議会事務局と国立銀行が設置されている。 | ||||
議会制度 | 1999年3月9日の憲法改正以降は二院制をとっており、上院62議席(任期6年)、国民議会(下院)125議席(任期5年)で構成されている。 | ||||
地方行政制度 | カンボジアの地方行政は、州(Province)と特別市(Municipality)に分けられる。州は郡(Srok / District)に、郡は町(Khum / Commune)に細分化され、他方、特別市は区(Khan / District)に、区は地区(Sangkat)に細分化されている。州と特別市、郡、区はカンボジア王国中央政府の出先機関であって、自治体ではない。 | ||||
現在の 政治的状況 |
2018年7月29日、カンボジアでは5年に一度の下院選挙が行われた。しかし、フン・セン政権の強権で最大野党カンボジア救国党が2017年11月に国家転覆を諮ったとして解党に追い込まれたこともあり、与党カンボジア人民党が125の全議席を獲得する圧勝で終わった。これによって、国際社会では民主化からの後退であり、政権は独裁的であるとの批判が高まっている。また、政治・経済面で中国との結びつきが強まっている。 |
日系企業
日系企業 進出数 |
日系企業総数(拠点数)は388社(2018年10月1日時点)(外務省「海外在留邦人数調査統計(令和元年版)」) |
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