ベトナムSocialist Republic of Viet Nam

ベトナムはベトナム共産党による一党独裁制度の国であるが、1986年にドイモイ(刷新)を導入することで、経済的な発展を遂げてきた。具体的には「市場経済導入」と「対外開放」を柱とした改革であり、社会主義指向型発展を目指している。
1989年頃よりドイモイの成果が上がり始め、アジア経済危機の影響から一時成長が鈍化した時期があったものの、1990年代及び2000年代は高成長を遂げ、2010年に(低位)中所得国となった。
2011年以降はマクロ経済安定化への取組に伴い、一時成長が鈍化したが,過去数年はアセアン域内でもトップクラスの成長率を達成している。特に、数多くの自由貿易協定(FTA)の発効(2019年4月時点で12のFTAが発効済)、ODAを活用したインフラ整備、低賃金の労働力を背景に外資の製造業を誘致し、輸出主導型の経済成長を続けてきた。
更に、ベトナムは東南アジアの中でも特に勤勉な国民性で知られ、また、アセアン域内の中では比較的賃金水準が低いことから、生産拠点として注目されている。近年の経済成長と9,000万人超の人口規模から、消費市場としても注目されている。
日本とも良好な経済関係を築いており、日本のODAによってベトナム国内の国際空港など基幹インフラが整備されている。日系のコンビニやショッピングモールなども進出しており、日本製品への人気・信頼性は高い。
地理情報
国 名 | ベトナム社会主義共和国(英語名:Socialist Republic of Viet Nam) |
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首 都 | ハノイ(英語名:Hanoi) |
国土面積 | 33万1,200平方キロメートル(日本の約9割) |
地 理 | 北が中国、西がラオスとカンボジアに接しており、東が東部海域、西南がタイ湾に面している。3,200キロの海岸線の沿いに数十ヵ所の海水浴場があり、沖合に3,000もの島・群島がある。国土は南北に長く1,650キロ、幅は東西で広いところで600キロ、南側は400キロ、最も狭いところで50キロとなっている。内陸部の国境線は4,510キロにもなる。 |
気 候 | 北部は四季を持つ熱帯モンスーン気候に属する。中部は北中部と南中部沿岸地域の2つに分けられる。北中部は冬と夏の2つの季節しかない。南中部沿岸地域は1年中暑く、雨季(8月~12月)と乾季(1月~7月)に分けられる。南部は赤道熱帯モンスーン気候のため、湿度が高く、年中暑い日が続く。 |
GMTとの時差 | +7時間、日本との時差は2時間(日本が正午の時、ベトナムは午前10時) |
基礎統計
人 口 | 9,458万人(2018年 / IMF) |
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GDP | 2,413億米ドル(2018年 / IMF) |
1人当たりGDP | 2,551米ドル(2018年 / IMF) |
GDP成長率 | 7.1%(2018年 / IMF) |
国民・社会
民 族 | キン族(越人)が約86%、他に53の少数民族。 |
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言 語 | 公用語はベトナム語で、その他多種の山岳民族語。 |
宗 教 | 仏教(80%)、他にカトリック教、ヒンズー教、イスラム教など。 |
通 貨 | ベトナム・ドン(dong) |
識字率 | 95.0%(2018年、15歳以上 / UNESCO) |
最低賃金 | ベトナムの最低賃金は地域によって4つに区分されており、国家賃金評議会が定めている。2020年は307万~442万ドンで、日系企業が多く進出しているハノイ市、ハイフォン市、ホーチミン市は442万ドン。 |
政治
政治体制 | 社会主義共和国(ベトナム共産党の指導による社会主義国)
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行政組織 | 共産党が国家の基本方針や方向性を決定、それを受けて行政機関が政策を執行する。行政機構としては22の省、省と同レベルの国家機関、24の政府直属機関がある。 | ||||
議会制度 | 議会は一院制でベトナム共産党の一党支配である。議員定数は500議席で任期は5年。直接選挙にて選出される。中選挙区制が採用されており、全国に180超の選挙区がある。 | ||||
地方行政制度 | ベトナムの地方自治体は、①省級(5市(ハノイ、ホーチミン、ハイフォン、ダナン、カントー)、58省)、②県級、③村級に区分され、行政区画ごとに人民評議会(議会)と人民委員会(執行機関)が設置されている。 | ||||
現在の 政治的状況 |
2016年の第13期国会第11会期において、チャン・ダイ・クアン氏が第8代国家主席として、そしてグエン・スアン・フック氏が第7代首相として就任した。しかし、2018年9月21日にクアン国家主席が現職のまま逝去し、ティン国家副主席が国家主席代行を務めた後、2018年10月に第14期第6回国会において、グエン・フー・チョン書記長が第9代国家主席に就任している。政治序列1位の書記長と2位で元首の国家主席を兼務することで権力基盤を強化、汚職追及や行政・経済の改革に取り組むとしている。ただ、国内では高齢である同氏への権力集中が懸念されている。 |
日系企業
日系企業 進出数 |
日系企業総数(拠点数)は1,920社(2018年10月1日時点)(外務省「海外在留邦人数調査統計(令和元年版)」) |
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