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スペインKingdom of Spain

1978年の民主化後、中道左派の社会労働党と中道右派の国民党による二大政党制が続いてきたが、近年は両政党の退潮が著しく、何度選挙をしても政権が確定しない政治不安が続いていた。しかし2020年1月13日、1978年の同国民主化後初めてとなる連立新政権内閣が誕生。閣僚22人中、女性が半数。4人の副首相のうち3人が女性となった。穏健左派、社会労働党(PSOE)を率いるサンチェス首相は、北東部カタルーニャ自治州の独立問題や30%を超す若者の高失業率などを背景に「社会、地域、世代の対話」を行う内閣となると表明した。
政治の不安定化の背景には割れる民意がある。10年ごろ始まった欧州債務危機で失業率が20%を超え、既存政党では格差を解決できないとの世論が強まった。欧州の難民・移民問題もスペイン政治の不安定要因だ。もともと若者の失業率が50%にも達すると言われており、有名大学で優秀な学位を取得しても職を見つけるのが難しい状況であったが、アフリカや中東、中央・南アメリカ、東ヨーロッパからの難民や移民を年に数万人単位で受け入れており、雇用や社会システムの逼迫、治安の悪化などが問題となっている。
スペインはサグラダ・ファミリア教会といった建築物やスペイン料理などの観光資源が豊富な国でもあり、2016年におけるGDPに占める観光業の割合は約11%にもなる。スペインに進出している日系企業は200社以上あるが、その過半数は製造業・卸売業・サービス業であり、カタルーニャ州とマドリード州に集中している。ただ、カタルーニャ州は独立を巡る混乱があり、移転を検討する動きもある。

地理情報

国 名 スペイン王国(スペイン語名:Reino de España、英語名:Kingdom of Spain)
首 都 マドリード(スペイン語名・英語名:Madrid)
国土面積 50万6,000平方キロメートル(日本の約1.4倍)
地 理 スペイン本土は高原や山地に覆われており、アフリカ大陸沿岸と沖合には5つの飛び地領土を有する。東部と南部は地中海に、北と西は大西洋に面している。北東部をフランスとアンドラ公国と、西側はポルトガル、南側はアフリカ大陸のモロッコと国境を接している。
気 候 北部のカンタブリア海沿岸は雨が多く、冬は温暖な海洋性気候。夏は比較的涼しい。中央部は昼夜で気温の差が大きく、夏は暑く冬は寒い大陸性気候。東部や南部などの地中海沿岸地域は、年間を通して温暖で乾燥した地中海性気候。
GMTとの時差 +1時間、日本との時差は8時間(日本が正午の時、スペインは午前4時)
サマータイムGMT+2時間(3月最終日曜日午前2時~10月最終日曜午前3時)

基礎統計

人 口 4,645万人(2018年 / IMF)
GDP 1兆4,275億米ドル(2018年 / IMF)
1人当たりGDP 3万733米ドル(2018年 / IMF)
GDP成長率 2.6%(2018年 / IMF)

国民・社会

民 族 ラテン系を中核とするスペイン人が多数を占める。
言 語 憲法ではスペイン語(カスティーリャ語)を公用語としている。その他に、自治州憲章によってカタルーニャ語、バレンシア語、バスク語、ガリシア語、アラン語が地方公用語として認められている。
宗 教 憲法で信仰の自由が保障されている。国民の大多数はカトリック教を信仰。
通 貨 ユーロ(Euro)
識字率 98.4%(2018年、15歳以上 / UNESCO)
最低賃金 2020年1月より、最低賃金を月額950ユーロへ引き上げ。

政治

政治体制 議会君主制
元首 フェリペ6世国王(2014年6月19日即位、1968年1月30日生まれ)
首相 ペドロ・サンチェス首相(2018年6月2日就任、1972年2月29日生まれ)
行政組織 スペインの行政は17の省で構成されている。
議会制度 スペインは二院制で上院と下院で構成されている。上院の定数は266議席で、208議席が直接選挙にて選出され、残りは自治州の推薦で選ばれる。下院の定数は350議席で、直接選挙にて選出される。任期は上・下院共に4年。
地方行政制度 スペインは17の自治州から構成されており、その下に50の県が存在している。また、北アフリカの2つの自治都市を持つ。自治の範囲はそれぞれ異なり、カタルーニャの場合だとカタルーニャ語による教育ができるほか、警察、福祉の一部で自治権を持っている。
現在の
政治的状況
2018年5月、与党国民党の現職・元職の多数の幹部が汚職によって利益享受を受けていたとして有罪判決を受けた。同汚職は党が関わる組織ぐるみであったとして、内閣不信任案提出に発展、下院の絶対多数で可決された。同時に、サンチェス社会労働者党書記長が首相に信任され、7年ぶりの政権交代となった。サンチェス首相は組閣に際して、外相に元欧州議会議長を当てることでEUとの協調路線を明確にしている。前政権よりも積極的な対独仏協調の姿勢を打ち出し、経済通貨統合の完了を重視している。サンチェス政権は少数政党であることから、2019年予算案が議会で否決され、両院議員を解散、2019年4月に選挙が実施された。社会労働者党が第1党となったが、首相選出権限を有する下院での過半数を得ることはできなかった。その後、急進左派・ポデモス党と連立、2020年1月7日にサンチェス首相の信任投票が実施され、賛成167、反対165の僅差で続投が承認された。ただ、連立内閣は少数与党であることから厳しい政権運営が予想されている。

日系企業

日系企業
進出数
日系企業総数(拠点数)は352社(2018年10月1日時点)(外務省「海外在留邦人数調査統計(令和元年版)」)