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南アフリカRepublic of South Africa

南アフリカは、17世紀半ばから継続した白人による人種差別制度・政策「アパルトヘイト」が1994年に撤廃され、対話による人種対立解決と融和の象徴の国となっているが、現実の社会では、依然、黒人と白人の間の差別意識が残っている。北・西アフリカの政情不安や、東アフリカにおけるODA競争激化を背景として、南アフリカへの日本企業の進出は盛んである。

気候は主に乾燥性で、沿岸部は亜熱帯性気候となっている。アフリカ大陸の最南端、インド洋と大西洋を結ぶ要衝の地に位置し、「太陽の国」と言われるほど一年中晴天が多い。また山脈、砂漠、森林、高原と平野などの多様な地形を持ち、動植物が豊かな国でもある。またロベン島(アパルトヘイト時代の刑務所)、人類化石遺跡群(アウストラロピテクスなどの人類化石が発見)や保護地区などが世界遺産となっている。

南アフリカはアフリカ大陸において最大の市場規模があり、ダイヤモンドや金の鉱業主導で成長している。その資本を元に、製造業及び金融業が発展、近年はIT開発にも注力している。南アフリカは資源と自動車、通信や消費市場、医療機器などの分野で日本企業に人気で、概ね安定して毎年黒字利益を上げている。また、南アフリカはサハラ以南、アフリカ大陸のGDPの約2割を占めており、金・クロム鉱・白金・バナジウムなどの豊富な天然資源を持ち、ワイン生産も世界で有名である。南アフリカへ進出の魅力は、アフリカトップの経済大国であるということ、政府が外資企業を積極的に誘致し歓迎するムードがあるということに加え、労働者への賃金、またその上昇率も低く抑えられることにある。

今後、アフリカの人口はアジアを上回る急成長が予想され、2050年には現在の約1.6倍の24億6,300万人に達するとの見方もある。インフラ建設やアフリカ全域における携帯電話をはじめとするテクノロジーの急速な普及や、中間層の拡大による市場を背景にBtoCビジネスなどが強化されている。また、エネルギー、水、鉱山ビジネスなども期待が高まるなか、進出形態としてのM&Aも重要な戦略の一つである。例として「NTT」が南アフリカの大手テクノロジー企業「ディメンションデータ」を買収し、また「関西ペイント」は、塗料大手「フリーワールド・コーティングス」の買収により、アフリカ塗装市場でトップクラスとなった。南アフリカでは労働者のストライキや国債引き下げなどのリスクもあるが、リスクを分散しながら持続可能なビジネスモデルを構築することが鍵となるだろう。

地理情報

国 名 南アフリカ共和国(英語名:Republic of South Africa)
首 都 プレトリア(行政府、英語名:Pretoria)、ケープタウン(立法府、英語名:Cape Town)、ブルームフォンテーン(司法府、英語名:Bloemfontein)
国土面積 122万平方キロメートル(日本の約3.2倍)
地 理 南アフリカはアフリカ大陸最南端に位置し、東にエスワティニ、モザンビーク、北にジンバブエ、ボツワナ、西にナミビアと国境を接し、レソトを四方から囲んでいる。南西部は南大西洋に、南部から東部にかけてはインド洋に面している。内陸は広大な平坦地で、北西部はナミビア砂漠が、東部にはドラケンスバーグ山脈が連なっている。
気 候 主に乾燥性気候で、沿岸部は亜熱帯性気候となっている。
GMTとの時差 +2時間、日本との時差は7時間(日本が正午の時、南アフリカは午前5時)

基礎統計

人 口 6,152万人(2023年 / IMF)
GDP 3,776億米ドル(2023年 / IMF)
1人当たりGDP 6,138米ドル(2023年 / IMF)
GDP成長率 0.6%(2023年 / IMF)

国民・社会

民 族 黒人(79%)、白人(9.6%)、カラード(混血)(8.9%)、アジア系(2.5%)(外務省)
言 語 英語、アフリカーンス語、バントゥー諸語(ズールー語、コサ語、北ソト語、ソト語、スワジ語、南ンデベレ語、ツォンガ語、ツワナ語、ヴェンダ語)の合計11言語が公用語とされている。
宗 教 人口の8割がキリスト教を信仰しており、残りはヒンズー教、イスラム教などとなっている。
通 貨 ランド(rand)、補助通貨単位セント(cent)。
識字率 87.1%(2017年、15歳以上 / UNESCO)

政治

政治体制 共和制
行政組織 南アフリカの行政は、34の省で構成されている。
議会制度 南アフリカは二院制を採用しており、上院(全国州評議会)と下院(国民議会)で構成されている。上院の定数は90議席、うち常任議員は州議会による間接選挙で、特別議員は州政府の閣僚が兼任としている。下院の定数は400議席で、厳正拘束名簿式比例代表制によって選出される。任期は5年。
地方行政制度 南アフリカは9つの州で構成されており、その下に都市圏(6)と郡・地区自治体(46)、地方自治体(231)の3区分の地方自治組織を設置している。都市圏は広域自治体としての役割と、基礎自治体としての機能を持っている。郡・地区自治体は基礎自治体を包括する行政区としての機能を持ち、地方自治体は基礎自治体に位置付けられている。

日系企業

日系企業
進出数
日系企業総数(拠点数)は273社(2018年10月1日時点)(外務省「海外在留邦人数調査統計(令和元年版)」)

実 績
株式会社レインは南アフリカの調査会社(リサーチ会社)として以下の実績があります。

  • カーディーラー調査

※ 最近の案件事例から抜粋