メキシコUnited Mexican States

メキシコは北米と南米の中間に位置しており、両地域のアクセスが良好であるほか、太平洋と大西洋に面していることからアジア及び欧州・アフリカへのアクセスに優れているという地理的優位性を持っている。2024年時点で人口は1億3千万人程度で、中米最大である。合計特殊出生率の低下や若年層の移民による流出の影響で、10歳未満の人口は相対的に減少しており、人口増加率は近年1.1~1.2%で推移している。
北部は乾燥していて、夏と冬の気温差は激しい一方で、南部は一年中高温多湿である。また首都メキシコシティの気候は年間を通じて温暖で、最も寒冷な12月と1月で東京の秋程度、一番暖かい4月から7月で東京の初夏程度である。1年を乾期(11月~4月)と雨期(5月~10月)に大別できる。メキシコは暑いイメージだが、時期によっては防寒対策が必要で、6月からの9月の雨季は、毎日夕方にスコールがある。そのため雨季の活動は、午前中から午後3時までを目途とする必要がある。大気汚染が問題となっていたが、近年はディーゼル車規制などで改善に向かっているものの、日本人にとっては綺麗な空気とは言いがたい。
自動車産業の対北米輸出加工拠点であり、日系進出企業の多くが自動車関連企業である。ただ、メキシコ経済の特徴はその対米依存度の高さにあり、「米国がくしゃみをするとメキシコは風邪をひく」と言われるほどである。国内の課題としては、人材不足や水道・電気コストの高さ、汚職、複雑な税制、社会主義的な労働法規などが挙げられる。
大企業がメキシコに進出する理由は、豊富で安価な労働力にある。従来、メキシコは高い失業率が社会問題となっており、メキシコの労働市場は買い手市場だといえた。従って、労働力を安価に雇え、賃金金上昇率も低く抑えられた。しかし、失業率は年々減少傾向にあり、政府が賃金上昇に積極的なことから、風向きが変わりつつあるが、依然として賃金は諸外国と比べると低いままである。また、雇用創出のためメキシコ政府が外資企業の進出を誘致しており、歓迎するムードがある。
ビジネスは英語で行うことが可能だが、スタッフには英語を話せない者も多く、労働者クラスはほとんど英語を話せないため、日常生活にスペイン語は必須である。また、時間を守る感覚などが日本と違うため注意が必要で、上下関係を嫌うため、トップダウンの強い会社では転職が盛んに行われる。また、メキシコからは時差で日本への連絡が1日遅れるため、情報の伝達経路を計画しておく必要がある。
地理情報
国 名 | メキシコ合衆国(スペイン語名:Estados Unidos Mexicanos、英語名:United Mexican States) | ||||||||
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首 都 | メキシコシティ(スペイン語名:Ciudad de México、英語名:Mexico City) | ||||||||
国土面積 | 197万2,550平方キロメートル(日本の約5倍) | ||||||||
地 理 | メキシコは北米大陸の南部に位置しており、北にアメリカ合衆国、南東にグアテマラ、ベリーズと国境を接し、西は太平洋、東はメキシコ湾とカリブ海に面している。標高5,000mを超える火山も珍しくない。 | ||||||||
気 候 | 北部は乾燥していて、夏と冬の気温差は激しい一方で、南部は1年中高温多湿。首都メキシコシティの気候は年間を通じて温暖で、最も寒冷な12月と1月で東京の秋程度、一番暖かい4月から7月で東京の初夏程度。1年を乾期(11月~4月)と雨期(5月~10月)に大別出来る。(国土交通省) | ||||||||
GMTとの時差 | メキシコは4つのタイムゾーンに区分されており、サマータイムを導入している州もある。
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基礎統計
人 口 | 1億3,113万人(2023年 / IMF) |
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GDP | 1兆7,888億米ドル(2023年 / IMF) |
1人当たりGDP | 1万3,642米ドル(2023年 / IMF) |
GDP成長率 | 3.23%(2023年 / IMF) |
国民・社会
民 族 | 欧州系(スペイン系等)と先住民の混血(60%)、先住民(30%)、欧州系(スペイン系等)(9%)、その他(1%)(外務省) |
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言 語 | スペイン語が幅広く使用されており、先住民族の65の言語も認められている。 |
宗 教 | ローマ・カトリックが82.7%、プロテスタントが9%、その他5%となっている。 |
通 貨 | メキシコ・ペソ(peso mexicano)、補助通貨単位としてセンターボ(centavo)。 |
識字率 | 95.4%(2018年、15歳以上 / UNESCO) |
政治
政治体制 | 立憲君主制 |
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行政組織 | 22018年12月1日時点で、大統領の下に省を含む20の行政機関が設置されている。 |
議会制度 | メキシコ議会は上院と下院の二院制で構成されている。上院は128議席で任期は6年、うち96議席は相対多数制度を、32議席は比例代表制度とされている。下院は500議席で任期3年、300議席が相対多数制度、200議席は比例代表制度となっている。両院とも、議員の連続再選は禁止している。 |
地方行政制度 | メキシコは31州と1連邦特別区で構成されている。州と連邦特別区ごとに、立法・行政・司法の三権分立体制が採用されている。また、憲法によって市町村制が採用されている。州知事の任期は6年であり、住民の直接選挙によって選出される。 |
日系企業
日系企業 進出数 |
日系企業総数(拠点数)は1,209社(2018年10月1日時点)(外務省「海外在留邦人数調査統計(令和元年版)」) |
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