イタリアItalian Republic
イタリアは地中海に面した観光大国で、2023年時点でユーロ圏では第4位、世界では第8位のGDPを誇る経済大国である。国民の約4分の3がカトリック教徒だが、信仰スタイルは厳格ではない。アラブ系移民の増加によりムスリムも増加傾向にある。イタリアは古来、多様な民族が混在していたが、イタリア統一後、標準語の制定、徴兵制や初等教育普及などにより、民族の完全統合を目指す民族統一主義が高揚した。最終的にはこれが20年以上にわたるファシズム政権を生み出し、全体主義体制による民族浄化政策が推進され、少数民族が弾圧を受けた。現代では少数民族も一定の自治権を認められつつある。
欧州統合や大西洋同盟、国連など、多国間の枠組みの推進に積極的で、地中海と中東諸国に対しても環境、移民、民主化など、様々な分野における支援を行うなど、中心的な役割を果たしている。また、イタリアはG7の一員として国際的な発言力を維持しているほか、NATO、EU及び国連等の任務にも積極的に軍隊を派遣し、国際平和に貢献している。近年は周辺国からの移民や難民流入が大きな社会問題となっているほか、OECDのなかでは日本、ドイツの次に少子高齢化が進行している。また「5人に3人が無職」と言われるほど高い失業率が問題になっている。
イタリアでは大企業が少なく家族経営の中小企業が中心で、自国の文化や歴史、また生まれ育った故郷や家族に対し誇り高い国民性がある。また、フィアットやフェラーリ、ランボルギーニなど、世界的に有名な自動車ブランドのほか、服飾・装飾産業、楽器産業、ガラスなどの工芸品、映画産業や観光業が盛んである。在留邦人数は2023年10月1日時点で14,000人程度であり、物流インフラとしては6,800キロの高速道路網と926キロの高速鉄道網に加え、長い湾岸線に沿って多くの港湾が整備されている。
また、イタリア政府はビジネスを促進する環境づくりのために、労働法の簡素化や企業投資への税制改革など、様々な政策を実施している。日本とイタリア企業との協業やM&Aは、不動産、自動車、食品・飲料、ファッション、医療機器など多分野にわたり、イタリアはEUと中東・北アフリカの市場への入り口として注目を集めている。
地理情報
国 名 | イタリア共和国(英語名:Italian Republic) |
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首 都 | ローマ(英語名:Rome) |
国土面積 | 30.2万平方キロメートル(日本の約5分の4) |
地 理 | イタリアは南欧にある共和制国家で、南には地中海、北はスイスとオーストリア、東はスロベニア、西はフランスに面している。イタリアの国土内に独立した小国バチカンとサンマリノがある。国土の形からブーツ型と呼ばれ、地中海に突き出た半島の形をしており、ほかにいくつかの小さな島を領土としている。また、国土の4割を山岳地帯が占め、平地は少ない。火山も多く世界有数の地震地帯となっている。 |
気 候 | 南北に細長い形のため、イタリア半島は地域の気候差が大きい。一般的には温暖で雨が少ない地中海性気候で、はっきりと四季が分かれている。イタリアの夏は日差しが強く乾燥し、冬に比較的雨が多い。 |
GMTとの時差 | GMT+2時間 |
基礎統計
人 口 | 5,885万人(2023年:IMF) |
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GDP | 2兆2,555億ドル(2023年:IMF) |
1人当たりGDP | 3万8,326ドル(2023年:IMF) |
GDP成長率 | 0.92%(2023年:IMF) |
国民・社会
民 族 | 大半がイタリア人で、少数民族として北部にドイツ系、フランス系、スロバニア系、南部にアルバニア系、ギリシャ系の人々が在住。 |
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言 語 | イタリア語(地域により独、仏語等少数言語あり) |
宗 教 | キリスト教(カトリック)が国民の約80%といわれる。 その他、キリスト教(プロテスタント)、ユダヤ教、イスラム教、仏教。 |
通 貨 | ユーロ(Euro) |
識字率 | 99.0% |
政治
政治体制 | 共和制 |
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行政組織 | 国家元首は共和国大統領で、その選出方法は間接選挙制を採用している。大統領となる条件は50歳以上、任期は7年となる。 大統領は通常、内閣や議会の決定に基づく形式的権限を行使するのみだが、首相任命権や議会解散権などを握っている。行政は首相(大統領が指名し議会が承認)と内閣が統轄する。各大臣は、首相の指名を受けて大統領が任命する。日本と同様に議院内閣制を採用しており、内閣は議会の信任を得なければならない。また、日本と同じく首相が頻繁に交代する国でもある。 |
議会制度 | 上院・下院の二院制で任期は両院とも5年(両院の権限は同等) 上院:議席定数315+終身議員6(2022年5月現在) |
地方行政制度 | 地方制度は、レジョーネ(regione)、プロヴィンチャ(provincia)、コムーネ(comune) の三層制となっている(図表 8-1)また、新地方自治法(1990 年法律第 142 号)第 2 条には、 地方自治に関する法律が適用される地方団体として、コムーネ、プロヴィンチャのほかに、大都市(città metropolitane)山岳部共同体(comunità montane)コムーネ共同体 (unioni di comuni)が記されている。 |
日系企業
日系企業 進出数 |
日系企業進出数 300社(2018年現在) |
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実 績
株式会社レインはイタリアの調査会社(リサーチ会社)として以下の実績があります。
※ 最近の案件事例から抜粋