フランスFrench Republic

フランスは、日本との通商面や文化面での交流を強めており、日本のアニメコンテンツが高い人気を誇っている。政治においては、2017年5月に史上最年少39歳の若さでマクロン氏が大統領に就任。成長重視・親企業的な構造改革を果敢に断行してきたが、「金持ち優先の大統領」というレッテルを張られ、支持率は就任時の60%台から現在20%〜30%を上下する記録的な低水準で推移。2019年1月に公表された世論調査によると,国民の4分の3がマクロン氏の政策運営に不満を持っている。経済面では家計の所得に行き詰まり感が拭えず、2020年のGDP成長率は0.9%に留まると予測されている。2020年の企業設備投資は景気先行きに慎重な見方が強い。失業率は改善の方向にある。
観光地としても有名だったノートルダム大聖堂が2019年の火災でほぼ全焼。修復には数十年かかるとされている。またフランスはニジェール、マリなどにおいてイスラム原理主義者グループの掃討に当たっている。
フランスのビジネス活動で特記すべきは、労働法において従業員は5週間の有給休暇があり、企業はそれを消化させることが義務付けられている。そのため、同国における有給休暇消化率はほぼ100%であり、ワーク・ライフ・バランスの先進国と言われている。地理的にはフランスはEUの中心地かつアフリカへの玄関口という位置づけにあり、日本企業も約500社が進出して好成績を上げている。外国企業に対する政府の支援、経済的な安定、優秀な現地人材、クリエイティブで新しいことに挑戦する気風から、投資には好適地と考えられる。
地理情報
国 名 | フランス共和国(フランス語名:République française、英語名:French Republic) |
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首 都 | パリ(フランス語名・英語名:Paris) |
国土面積 | 55万1,500平方キロメートル(日本の約1.5倍) |
地 理 | フランスの国土は西ヨーロッパに位置する本土の他に、地中海と南米、カリブ海、インド洋の4海外県、さらにはニューカレドニアやフランス領ポリネシアなどオセアニアの属領をも含んでいる。面積は西ヨーロッパ最大で、フランス本土の可住地面積は日本の約3.5倍。 |
気 候 | 海洋性気候(西部)、大陸性気候(東部)、地中海性気候(南部)に分類される。海洋性気候は、年間を通じて冷涼で気温差が少ない。大陸性気候は、西部の海洋性気候に比べて年間の気温差が大きく、また降水量も多くなる。地中海性気候は夏は暑く、冬は暖かい。年間を通じて降水量が少ないのが特徴となっている。 |
GMTとの時差 | +1時間、日本との時差は8時間(日本が正午の時、フランスは午前4時) サマータイムGMT+2時間(3月最終日曜日午前2時~10月最終日曜午前3時) |
基礎統計
人 口 | 6,473万人(2018年 / IMF) |
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GDP | 2兆7,802億米ドル(2018年 / IMF) |
1人当たりGDP | 4万2,953米ドル(2018年 / IMF) |
GDP成長率 | 1.7%(2018年 / IMF) |
国民・社会
民 族 | 欧州最大の多民族国家。ケルト人・ラテン人・ゲルマン系のフランク人などの混成民族であるフランス人が大半を占める。 |
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言 語 | 公用語はフランス語。その他の言語も、地域によってケルト系言語やゲルマン系言語などが第2言語として使用されている。 |
宗 教 | 国民の7割がカトリック教。他にイスラム教、プロテスタント、ユダヤ教を信仰。 |
通 貨 | ユーロ(Euro) |
最低賃金 | フランスの最低賃金の引上げは物価上昇に基づいて決定される。法定最低賃金は、2020年1月には時給10.15ユーロに設定されている。 |
政治
政治体制 | 共和制
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行政組織 | フランスの行政は16の省で構成されている。 | ||||
議会制度 | フランスの議会は二院制を採用しており、上院(元老院)と下院(国民議会)で構成されている。上院の定数は577議席で、間接選挙で選出される。任期は6年。ただし、3年毎に半数を改選。下院は348議席で、直接選挙と二回投票制の直接選挙にて選出される。任期は5年。 | ||||
地方行政制度 | ヨーロッパ本土においてはフランスは13の地域圏(レジオン)、海外領土に5つの地域圏を持つ。その下に県(デパルトマン、101県)、郡(アロンディスマン)、小郡(カントン)、市町村(コミューン)で構成されている。 | ||||
現在の 政治的状況 |
2017年に実施された大統領選挙の結果、エマニュエル・マクロン前経済相が第8代大統領に就任。前オランド政権では、マクロン大統領は経済相の地位にあったが、改革派の結集を目指すため政治運動「前進!」(現在は政党「共和国前進」)を立ち上げた後、閣僚を辞任して大統領選挙に独立系候補として出馬している。マクロン大統領は共和党からフィリップ首相を指名し、左派・中道・右派・環境主義者といった政治的多様性を考慮しつつ、男女同数、そして民間から半数を登用した内閣を組閣している。 2018年11月17日以降、燃料価格高騰に端を発した政府に対する抗議運動(黄色のベスト運動)が発生。抗議運動で示された国民の不満や要望を大統領・政府が直接聴取する「国民討論」を2019年1月~3月に実施。同大統領は「国民討論」の議論を踏まえ、改革路線の一部を修正する新たな政策を発表する等、改革断行の決意は維持しつつ、国民の多様な声にも配慮する政権運営を行う。社会保障改革、税制改革、環境政策等が目下の重要課題。 |
日系企業
日系企業 進出数 |
日系企業総数(拠点数)は692社(2018年10月1日時点)(外務省「海外在留邦人数調査統計(令和元年版)」) |
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