ブルネイNation of Brunei, the Abode of Peace
国土の8割が熱帯ジャングルに覆われたブルネイは、1888年に英国の保護領となり、経済開発はプランテーションを中心に進められていた。しかし、1929年に油田が発見され、資源開発に主軸が移った。1984年1月1日、ブルネイはイギリスから国防と外交を継承し、マレー主義・イスラム国教・王政擁護(MIB)を国是として完全独立。スルタン(国王)が宗教上の権威であるとともに、国家元首として国民に広く敬愛されており、国政全般の権限を掌握している。現在も国王が首相、国防相、財務相、外務貿易相を兼任しており、皇太子は首相府上級大臣として筆頭閣僚の要職にある。
ブルネイは人口50万人程度の小国である。ブルネイ人は一般的に大変温和で穏やかな人が多い。大家族が多く、家族を大切にし、伝統を重んじる傾向が高い。対日感情は良好で、マンガやアニメなど、日本文化への関心も高い。公用語はマレー語だが、英語がかなり通じ、中国語、ヒンドゥー語もある程度は通じる。ほとんどがイスラム教徒(ムスリム)で、日に5回の祈りを欠かさない。国内での酒類の販売は禁止されているなど、非常に厳格なイスラム教のしきたりを貫いている。国土は日本の三重県とほぼ同じ大きさで、その多くは平坦な海岸平野である。年間を通じて高温多湿であり、平地は熱帯雨林気候、高地は亜熱帯湿潤気候となっている。平均最高気温は31~33度程度で、11~3月は比較的雨が多い。
国内経済は石油・天然ガスの輸出で潤っており、GDPの半分、輸出のほぼ全てを占めている。アジアではシンガポールに次ぐ高所得国家であり、医療・教育費無料など社会福祉も充実している。しかし、いつかは枯渇する天然資源を見据え、石油・天然ガス依存から脱却し、経済を多様化することで持続可能な社会国家を目指している。
ブルネイでは海外企業を誘致するため、国内の工業団地などインフラの整備を進めている。また、投資優遇措置も充実しており、パイオニア企業として認められれば、法人税の一定期間免除などがある。しかし、ビジネスに慣れていない面があり、外資進出はまだそこまで進んでいるとはいえない。日本企業の進出も数十社である。ブルネイだけでは人口が少ないため、中国やシンガポールへの輸出拠点としてブルネイに進出する企業も多いが、港湾はすでに中国に支配されており、腐敗が進んでいるという問題もある。
地理情報
国 名 | ブルネイ・ダルサラーム国(英語名:Nation of Brunei, the Abode of Peace) |
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首 都 | バンダルスリブガワン(英語名:Bandar Seri Begawan) |
国土面積 | 5,770平方キロメートル(日本の三重県とほぼ同じ大きさ) |
地 理 | ブルネイは南シナ海に面し、マレーシアと国境を接する。マレーシアとは481.3kmに渡って国境を共有し、海岸線は161kmになる。国土の多くは平坦な海岸平野であり、最高地点はパゴン山の1850mとなっている。 |
気 候 | ブルネイは年間を通じて高温多湿であり、平地は熱帯雨林気候、高地は亜熱帯湿潤気候となっている。平均最高気温は31~33度程度で、11~3月は比較的雨が多い季節である。 |
GMTとの時差 | +8時間、日本との時差は1時間(日本が正午の時、ブルネイは午前11時) |
基礎統計
人 口 | 45万人(2021年 / IMF) |
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GDP | 161億米ドル(2021年 / IMF) |
1人当たりGDP | 3万5,831米ドル(2021年 / IMF) |
GDP成長率 | -0.68%(2022年 / IMF) |
国民・社会
民 族 | マレー系(66%)、中華系(10%)、その他(24%)、(2016年、ブルネイ首相府) |
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言 語 | 憲法上、マレー語が公用語と定められている。英語も広く通じる。 |
宗 教 | イスラム教が国教である。イスラム教(78.8%)、仏教(7.8%)、キリスト教(8.7%)、その他(4.7%)。 |
通 貨 | ブルネイ・ドル(Brunei dollar)、補助通貨単位はセント(cent)為替レートはシンガポール・ドルと等価に固定。 |
識字率 | 97.2%(2018年、15歳以上 / UNESCO) |
政治
政治体制 | 立憲君主制 |
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行政組織 | 首相府を含め13府省で構成されている。 |
議会制度 | 一院制の立法評議会で、定数は36議席。全員がスルタンによる任命議員であり、任期はスルタンが容認する限り在任可能となっている。 |
地方行政制度 | ブルネイの行政区画は、4つの地区と39の郡から構成されている。(1) ブライト地区、(2) ブルネイ・ムアラ地区、(3) テンブロン地区、(4) ツトン地区。各地域は「ムキム」と呼ばれる郡、「ムキム」は「カンポン」と呼ばれる複数の村・集落から構成されている。 |
日系企業
日系企業 進出数 |
日系企業総数(拠点数)は15社(2018年10月1日時点)(外務省「海外在留邦人数調査統計(令和元年版)」) |
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実 績
株式会社レインはブルネイの調査会社(リサーチ会社)として以下の実績があります。
※ 最近の案件事例から抜粋